さて、東京グルマン旅はじめのお店は、
浅草ホッピー通り(煮込み通り)「正ちゃん」
「絶滅食堂で逢いましょう」なぎら健壱著
この本で紹介された昭和レトロなどというものではなく、そのまんま昭和といった佇まいの居酒屋。
ありましたね、なぎらさんの写真。なぎらさんの座右の銘は、
「呑んだら死ぬ、呑まなくても死ぬ」
注文するのはもちろん、ホッピーと煮込み。
じっくりと煮込まれた牛肉は柔らかくしっかりと味が染み込んでいて豆腐との相性ヨシ。正直塩っぱいぐらいだがこれだけでホッピー1杯は軽くいける。これが飲兵衛の本望、安く上げるが命。お後に厚揚げと漬物頼んでも1人千円ちょっと。これぞ大衆酒場の鏡。
大鍋で煮込まれる牛肉と豆腐。
以前この通りに来た時にはどっぷりとくすがってしまった。あの時(15年前くらい)からすると、夫婦(かどうかは分からないが男女)らしきカップルや若い人達が結構いるように見えた。当時は競馬新聞と睨めっこしているオッサンが殆どでディープな世界であった。昨夜から飲んでいたに違いないホステス風の女性が白昼堂々と大騒ぎしていたりして。それはそれで面白かったのだが、おそらく観光地化されて誰でも入りやすくなったのだろう。それが証拠に、
メニューに英語が併記されている。
らしくない。絶対にらしくない。
もはや絶滅危惧酒場の仲間入りをしているようだが、いつまでも牛肉煮込んでいて下さい。そう願いたくなる酒場だった。
この日はまだまだ行かなくてはならないお店が沢山。後ろ髪を引かれながらも「正ちゃん」を後にする。次なる店への期待からかグルマン先生の足取りも軽い。