昭和天皇の生涯を記録した「昭和天皇実録」が公表された。
太平洋戦争前後の天皇陛下と軍部の関わりについては興味の尽きぬ歴史テーマであるが、今回はそれはさておき。この話題に触れてからふと目に留まったのはこの本。
「昭和天皇のパター」 夏坂健
箱根「富士屋ホテル」の倉庫で発見された古色蒼然としたパター。もしや!昭和天皇のパターでは?パターの真贋について関係者が騒然となるが…。
昭和天皇は戦前ゴルフをされていた。
1922年には英国皇太子と駒沢「東京ゴルフ倶楽部」でプレー。
天皇陛下がゴルフに興じることができた時代、そのままの世の中でいて欲しかったものだ。
夏坂健 珠玉のゴルフエッセイを執筆。ゴルフの歴史を紐解き、ゴルファーという人種の人間ウオッチング。我がゴルフ・スピリッツのバイブル。残念ながら「昭和天皇のパター」執筆途中の2000年1月に他界。「夏坂健=夏さ書けん」夏だけでなく永遠にペンを置く。
「ゴルフは己の人格を世間に公表するゲーム」「身分と地位、コース内に持ち込むべからず」などマナーに関する凛とした姿勢を貫いた。
当時「ゴルファーには2種類のゴルファーがいる。夏坂健を読むゴルファーと読まないゴルファー。その違いはプレーを見ればわかる。」とまで言われたゴルフへの愛情溢れる極上のエッセイだった。
新刊が発行されるのを楽しみに全ての作品をコレクションしていた。夏坂さんがゴルフ天国へ召されてから僕のゴルフの中の愉しみのひとつが消えた。Such Is Life.