「宿敵と思い込み風車や羊の群れに突進していく狂人の騎士」
ドン・キホーテについては「滑稽で愚かな騎士」の物語であることぐらいしか認識していなかった。
「ドン・キホーテ」 セルバンンテス 著
完全版は文庫本6冊という大作なので最後まで辿り着けないことを確信した僕は、岩波少年文庫の抄訳版を手に取ることにした。この選択を間違えば危うく自らが風車に立ち向かうドン・キホーテとなってしまったから。
「騎士道物語」を読み耽って狂気に陥り、遍歴の騎士となって世の不正を正そうと旅に出るドン・キホーテと愚か者の従者サンチョ・パンサ。
道中での狂気と正気が交錯する二人のやりとりは滑稽ながらも夢と希望に満ち溢れている冒険物語。
悲惨な冒険を繰り返し、やがて二人は成長して正気を取り戻すドン・キホーテ。その振る舞いは純粋にして高潔な騎士だった。
「騎士道物語」のパロディであったり当時のスペイン帝国への風刺でもあったりするらしいが、聖書の次に多く出版されたベストセラー小説らしい。大人も楽しめました。
では、どうしてオジサンになってから「ドン・キホーテ」を読んだのかについて。
マドリードのスペイン広場にある「ドン・キホーテとサンチョ・パンサ」の像
30年近く前にこの像の前に立った若かりし僕は
「ドン・キホーテってどんな人だったの?実在したの?」
と無知ゆえの疑問を抱いた。それからずっと引きずっていた。
やっとわかりました。
30年の歳月を費やした「ドン・キホーテを知る遍歴の旅」は終わりにします。Such Is Life.