The King and I
ミュージカルには興味が無いというのに、ミュージカル劇場に連れて来られた。「王様と私」は、かつてユル・ブリンナーが演じた名作であることぐらいは知っていたが…。
何故おっさん二人で場違いな所に来てしまったのか?それは友人が彼の家族のためにチケットを用意してあったのだが、不測の事態で家族がロンドンに来られなくなってしまったから。僕以外にも、余ったチケットを押し付けられた彼の会社の若い部下夫妻が、ため息交じりに座っていた。
ミュージカルは悪くないと思いますよ。でも英語ですとね、そりゃあ寝ちゃいますよ(意味も分からないのに、突然歌い出したり踊られたりしてもねえ…)。終盤、足を蹴られて目を覚ますと、クライマックスの「Shall we dance」やってました。とても優雅でゴージャスでした(ということで…)。
終演後、楽屋口へ向かうとド派手なオレンジ色のコートの後ろ姿が。
そうです。この人、渡辺謙が主演でした。
劇中僕が寝ていたことを知らない謙さんは、フレンドリーに写真に収まってくれたのでした。
Leicester Arms (44 Glasshouse Street, Piccadilly)
パブに立ち寄りミュージカルの反省を。
あの時僕は、謙さんに何と声を掛けようか迷っていたのです。
勿論謙さんと比べたら人間の器は比べようもないし、ド派手なオレンジのコートも似合わない僕ですが、一つだけ同格の物があるとすれば、同世代であること。だから媚びへつらうことは必要ないと思い
「お疲れ様でした」と、さらりと流したのでした。すると友人は「あれは失礼だろう。せめて感動しましたとか言えよ~」と僕を責めたのです。
途中寝てたんだから「感動しました」って言ったら嘘になるだろう…。Such Is Life.