この日が来ると何をしていようが何もしていまいが歳を取る。
この歳になると、もはやこの日は特別な日ではなくなり単なる通過点となっている。
しかし、この日は
娘から贈り物をもらった。バースデープレゼントだ。
イノダコーヒーの陶器製ドリッパーとポット(イノダではそれぞれを“ロカ器”と“どびん”と呼んでいる)。僕は週に何回かはドリッパーでコーヒーを淹れている。娘はいつもは知らんぷりしているが、それでいて気にはしていたのだろう。
「イノダコーヒー」京都の老舗珈琲店。濃い目のコーヒーにあらかじめ砂糖とミルクが入れられた「アラビアの真珠」で有名。本店と清水の店に行ったことがあるが、老舗らしい瀟洒な雰囲気の店だった。
いつもは「うるさい」などと冷たい態度を取る娘だが、やはり父親への愛情は隠しきれないらしい。この思いがけない贈り物に最大限の謝辞を述べると、
「これで暫くの間は、〇〇✖✖だからね。」と条件が付いてきた。
娘からの贈り物、手放しで喜んではいけない。Such Is Life.
なんとケーキも出てきた。どうやら今年は特別な日になったみたいだ。
さて、せっかくだからもらったドリッパーで旨いコーヒーでも淹れてやるとするか。