「来週で華福が閉店になるらしい」と准教授から緊急事態を告げるメールが届く。
華福(浜松市中区曳馬)
極一部のマニアックなデカ盛り愛好家の間で話題となっていた中華料理店。
こちらのお店が間もなく50年の歴史に幕を閉じることになるという…。
こちらは以前訪問した時に食べたBランチ(鶏唐揚、酢豚、野菜炒め、御飯、スープ)で900円也。(注:この時は揚げるのが間に合わなかった唐揚げがもう1個後から追加されてきた)
決してデカ盛り界のメジャーには至らなかったが、このアメイジングなワンプレートを長年に亘りひっそりと愛し続けていた好事家は多いはずだ。
ランチに足繁く訪問されていた准教授と華福にお別れを告げるため夜の初訪問。
店主の親爺さんに惜別の念をお伝えすると
「もう50年やってきてワシも75才、これ以上続けたら死んじまうからよ」
この親爺さんの気遣いが何ともほのぼのとしている。以前は用事があって開店が遅れて悪かったからと帰りに紹興酒をお土産にくれた。
ただ、ただ、おかみさんは…。
ニラ肉・玉子炒め 630円
今夜はお別れ会だからビールを飲まなければいけないのでBランチは諦めて(夜でもランチ注文可能)料理を何品か頼むことに。
デカ盛りというより、「量 ÷ 値段」という関数から導かれる満足度がハンパじゃない。もちろん味だって適正な係数を描いている。
肉だんご 700円
普通の中年であればこの2品でビールを飲めばそこそこ満足できるボリューム。ゲンコツ大の鶏唐揚にも未練はあるが…。
でも今夜の我々は華福への感謝の念を最大限に表さなければならない。
うまにそば 610円
現在のラーメン事情から見ればあまりにも冴えない顔なんだけど、これが昔のラーメンまんまの味で、決して一線を越えないで守るべき味をしっかりと守っている。
モヤシラーメン 580円 (准教授のオーダー)
そして、「今までここのチャーハンを食べたことがない」との准教授の発言をきっかけにメモリアルオーダーを。
チャーハン 600円
一人前なのにオタマ2杯分盛り付けられていることがハッキリと分かる。
流石の准教授もここらで満足された様子。
冷やしラーメンも始めたばかりなのに閉店されるとは名残惜しい…。
張り紙の漢字が間違っていた事は料理の味と共に心にしまっておこう。
飾り気は無いが親爺さんの心意気で客の胃袋を元気付けてくれた中華料理店の火が消えようとしている。まだまだこちらのお店ではやり残したことがあるようだが、最後の大食いトライは感謝の気持ちを少しでもお伝え出来たのではないだろうか。
ありがとう華福さん。親爺さん長い間の営業お疲れ様でした。
でも、デカ盛りBランチの思い出はいつまでも忘れませんから。
お別れ会の2次会でとあるバーを訪ねる。
酒場にやって来ながらも「腹一杯でもう飲めん」と勝手な事を言いつつ、ウイスキーを飲みながら華福について語る。
「肉団子にニラ野菜炒め、ラーメンとチャーハンも食った…」と自慢げに話す中年二人組に、話を聞かされたマスターと後からやってきたノンノン(華福愛好会の一人となった酒飲み)はあきれたばかりか、不愉快になったことだろう。
それでいい、目的は達成された。我々は話のネタを作るために寿命を縮めてまでも大食いしてきたのだから…。Such Is Life.