Such Is Life

soul-searching-diary

「モロッコ人の物語」 あとがき

羽田からドーハを経由して合計20時間以上を機上で過ごすこととなった。やっとの思いで降り立ったのは北アフリカの大地モロッコである。取材のためとはいえタフな移動であった。車窓から目に飛び込んでくる風景は、かつて筆者が体験してきた他の地域とは異なる強烈なインプレッションだ。しかも短時間では咀嚼できないほどの雰囲気を持っている。しかし、やがてその風景はそれまでの移動の苦労をも忘れさせてくれる特別な存在へと昇華した。

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未だ暗闇の中にある早朝、静寂を切り裂くかのような放送がモスクのスピーカーから流れる。「アッラーは偉大なり」から始まるこの放送を筆者はコーランの朗誦と思い込んでいたのだが、実はアザーンと呼ばれるイスラム教における礼拝への呼びかけであった。1日5回の礼拝前に流れる独特のイントネーションを持つ肉声の放送を耳にする度に、ここが異教の地でありイスラムの国であることを脳裏に刻み込まれる。異教徒でありながらもこの国とこの国の人々への畏敬の念が膨張していく。そう、このアザーンの生音を聴くことも今回の取材の大きな目的であった。

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スーク(市場)の熱気と危うさ、人々の活気と倦怠、乾いた土地と建物、匂いと臭い、不安ではあるがトライしたくなるエスニックフード、砂漠に昇る朝陽と陽気な駱駝使い…どれを取っても初めて体験する異文化のカオスである。ただそこには目を逸らしてはいけない現実もある。

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今回の取材報告を「モロッコ人の物語」と題し写真集としてアップした。それはモロッコの土地と人々が、筆者にとって言葉で表すには余りにも深いものであったからだ。短期間の取材だけでは理解不能な魅力と謎に包まれた国であった。

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色々と思いつくままに取りとめの無い文章を進めてしまった。ここであとがきとして纏めておく必要があるようだ。写真家でもない筆者が写真集という形でモロッコ取材をアップした本当の理由(ワケ)とは…。実は旅の取材の疲れで文章を作る気力がなかったから…というのが真相である。

 

どうやらまたくだらないことを書いてしまったようだ。

反省しきり…である。Such Is Life.

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