トゥルネラパージュ (浜松市中区板屋町)
「幸楽」でとんかつを食べ、口の中をあぶらだらけにした准教授が何か飲みたいと言うので浜松駅付近の喫茶店へ。ただこちらは普通の喫茶店に非ず。2度目の訪問。
特段特徴の無い外観だが、扉の向こうにはちょっと想像がつかない空間が。
巨大なスピーカーとモニター。スピーカーからはジャズが流れ、モニターはキートンのサイレント映画を映し出す。広い店舗で全体像を写せなかったが、エクスクルーシブな空気が漂う。
全浜松市民を敵に回すことを覚悟の上で書くが、浜松という田舎街にあるのはもったいないような空間である。それでも石は投げられたくないので弁解しておくが、僕もその代表的な田舎のオッサンである。もう都会では暮らせない…。これはインテリアのセンスの良さを強調するための比喩として捉えて頂ければ幸いだ。
ジャズレコードのジャケットがディスプレイされている。レコジャケはアート、ジャケ買いのあの頃が懐かしい。そして、こちらのレコード所蔵量はかなりのもの。
余談だが、左下のカップルがとても良い雰囲気で写っていた。だがプライヴァシーの都合上、お顔を出せないのが残念。念のために断りを入れておくが、田舎者だから恥ずかしいとかいう理由でボカシを入れているわけではない。
このスピーカーがとにかく凄い。Abantgarde(独)社製。下世話な話ではあるが、お値段をネットで調べたら1,800万(税抜、運搬費・据付費別途)だと。あなたは何を思いますか?笑いましょう。笑うしかないでしょう。
音? 評価の比較対象がありません。良いに決まっていると思うしかないぐらい良いです。喫茶店にしてはそこそこの音量で流しているのが嬉しい。オーディオマニアでなくとも一聴の価値有り。
因みに僕は、岩手県一関にあるジャズ喫茶ベイシーに行ってみたいと思っている。ここの音も凄いらしい。
オーダーはコーヒー「エルサルバドル」を。コーヒーはポットでサーブされる。タップリ入っているのでジャズに浸りながゆったりと別世界を楽しめる。紅茶にもこだわりを持たれているようだ。
田舎街に住んでいようとも、若かりし頃にかじったカルチャーってやつを忘れちゃいないよっていう文化人のあなた、是非一度訪れてみては如何でしょう。かつてのあなたに逢えるかも…。
Tournez La Page(トゥルネラパージュ)は仏語で「ページをめくる」の意。
HPには「ここでリフレッシュをし、新しいページを迎えて欲しいという思いを込めて命名しました」と書かれている。
確かにそんな空間だ。だが、扉1枚めくって外に出れば、そこは浜松。Such Is Life.