「熔ける」 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録
呆れて、苦笑し、興奮して、考えさせられ、身につまされた。
2011年カジノで106億8000万円スって、関連会社から借金し特別背任罪で逮捕された大王製紙前会長の懺悔録。当時マスコミが大騒ぎしていたが忘れかけていた。たまたま本屋で目に入った「熔ける」の文字が悲愴なゆらめきを放っていたので手に取った。
冒頭のカジノでの回顧録はリアルで、最初は呆れちゃって、バカだな~って笑っちゃったけど、よくぞここまでやれたと興奮させてくれ、「次で勝てば取り返せる…で嵌っていく」のは、ギャンブルあるあるで共感して、終いにはなんだか自分もせつなくなって我が身のことを考えさせられた。
途中からの生い立ち~大王製紙での経歴、マスコミへの反論などはエクスキューズな感じで懺悔が足らんぞ~だが、これぞいいとこのお坊ちゃまなのだと認めよう。
ギャンブルなんかで負けることを「お金を熔かした」って表現されるけど、僕は熔けてるのはお金じゃなくて、その過程で本人の頭が熔けているのではないかと思う。
何故そんなことを思うのか?それは自分の頭が熔けたことがあるからだ…。Such Is Life.