今宵は独り物想いに耽けりたくなって、とあるバーの重厚な扉を開くことにした。
GLENDRONACH
GLENFARCLAS
何れも聖地スペイサイドの小さな蒸留所で生まれたスコッチ。エッセイスト島地勝彦先生ご推薦の極上のウイスキーだ。我が魂はスコットランドの荒涼たる海岸を旅している。
ふと気が付くと、隣に厳つい雰囲気の男がやって来た。馴染みの客なのか慣れたしぐさで酒を注文している。世の中に背を向けたような顔つきのこの男は、差し出された酒を目を細めながら噛み締めるように飲んだ。その眼差しは遥か遠くにある自分だけの世界を見つめているようだ…。
気になる…。このハードボイルドな男がどんな酒を飲んでいるのかが。
覗いてみたが、怖くて写真を撮れなかったので状況を説明して画伯に描いて頂いた。
「ハードボイルドな酒」 愚留満 作
なんと!こんなかわいらしいカクテルを飲んでいた。
そして、ハードボイルドな男はグラスを重ねる毎に饒舌になっていった。
顔と嗜好は得てして一致しないものである…。Such Is Life.