神父様、昨夜私は巡礼の聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラに到着しました。その嬉しさのあまり、夕食からホテルの部屋に戻った私は日本から持参したウイスキーを飲み過ぎてしまいました。(因果関係は不明ですが)
それでは懺悔の続きをお聞き下さい。
さて大聖堂に進む前に本物の巡礼者を紹介しておきましょう。(私が偽物という意味ではありません。念のためです)歩いていた巡礼者にお願いして撮らせて頂きました。(この青年、バックパックの写真を撮りたいと言ってるのに、前を向こうとしてクルクル回るので苦労しました)本物の巡礼者はシンボルの「ホタテ貝」をぶら下げています。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂
ジャジャ~ン!といきたいところですが、修復中で様になっていません(汗)。
気を取り直して裏側から撮りました。古くて威厳のある立派な佇まいです。
数百キロの巡礼路を歩いてきた巡礼者は、大聖堂の正面にあるホタテ貝のプレートを踏んで巡礼を達成したことを実感します。
私も踏んでみましたが、何か問題ありますでしょうか?
サンティアゴ・デ・コンポステーラは、エルサレム、ローマに次ぐキリスト教の世界三大聖地のひとつです。9世紀に聖ヤコブの墓が見つかったことから聖堂が建てられました。こんな話は神父様にとっては釈迦に説法ではなくイエスに聖書でしょうが…。
中央祭壇には聖ヤコブの像が祀られています。巡礼者は裏側に回り、慣習に従って聖ヤコブのマントにキスをします。私もしてみましたが、何か問題ありますでしょうか?
ボタフメイロ *手前銀色の香炉
儀式の際に香を焚いてロープを振り回している様子をテレビで見たことがあったので、あ~っ、コレコレ!でした。大聖堂に到着した昔の巡礼者は大半が不潔で、伝染病が流行った時代に、香は予防効果があると信じていたようです。
パイプオルガンも凄いのですが、こちらの聖堂は大きさも去る事ながら、眩い黄金色の豪奢な装飾が宗教の崇高なパワーを感じさせてくれます。
神父様、私はここを立ち去る前にお話しておかなければならないことがあります。日本を発ってから「聖地」「巡礼」と私は呪文のように唱え続けてきました。しかし、ここを訪れてみて、本当はここが私の求めていた聖地ではないことに気がつきました。いえいえ、こちらは恐れ多くも霊験あらたかな聖地であります。それでも私が信仰しているものとは何かが違うのです。これから私は真実の聖地を求めて更なる巡礼を続けます。どうか神のご加護がありますように、お祈り下さいませ…。
そんな訳で新たな聖地を目指して旅を続けることになりました。(誰も納得してくれないでしょうが)
ルーゴ
サンティアゴ・デ・コンポステーラから約100kmのところにあるガリシア地方の街。ローマ城壁に囲まれた古都に立ち寄りました。薄く平たい石を積み上げた珍しい城壁です。
こちらはガイドブックでも取り扱いが少ないこじんまりとした街なのですが、落ち着いた静かな雰囲気なのです。
この街に何をしに来たのかというと
昼食のためでした。(私が計画したのではありません。あしからず)
ガリシア風ライス
パエリアにも似たローカルフード。香辛料とオリーブオイルの独特の風味で美味しかったのですが、残ったサラダとライスを「はいっ。残りを片付けてね!」と無理強いするおば様たちが。遠慮しながらも喜んでいる自分が恥ずかしかったです…。
昼食後は2時間程移動して
アストルガの司教館
これを見て直ぐにピンッ!と来た方は芸術のセンス有りです。
ガウディの設計です。この地方には珍しいガウディです。
当時あまりに斬新なデザインだったため、協会側と対立してガウディは途中で制作を中止。他の設計家が引き継いだものの、司教は恥ずかしくて住まなかったとか。今になってみるとモッタイナイ話です。
またまた移動で
今夜はレオンという街に宿泊です。
レオンで何故かプレスリーなんですが、「はい。そこに立って」とカメラを向けただけでポーズを取るカミさんが、ありのような、そうでないような…。
こちらは高級そうなレストランでしたが、なかなかのワインがボトル@1,500円ぐらい。この値段でスペインにまで来て飲まない理由はありませんよね?
ガスパチョ
スペインの有名な冷静スープ。ニンニクがピリリと効いて暑い時期にはサッパリ。
牛肉の煮込み
ガイドさんの説明では「本日は鶏肉料理」でしたが、食べ始めたらザワザワ…?実は牛肉でした。柔らかく煮込まれた牛肉でした。巡礼に出てから出逢ったお肉は何れも美味しくてレベルの高さを感じます。
そんなこんなで夜も更けましたが、実に長い一日でした。サンティアゴ・デ・コンポステーラが私にとっての聖地でなかったことは大きな誤算でしたが(最初からそうだった可能性は拭えませんが)、明日からも聖地探しに奔走します。Such Is Life.
まだまだ懺悔は続きます…。