壁の穴 (渋谷区道玄坂)
STINGのコンサートの日、昼頃に東京に着いたので目的もなく渋谷に立ち寄った。学生時代に数回訪問したスパゲティ屋さん(当時はパスタなんて言葉は使われていなかった)を思い出し寄ってみることに。
スパゲティといえば、ミートソースとナポリタンぐらいしか無かった当時、タラコや明太子にウニなんていう(当時としては)斬新なメニューを揃えていた。今では珍しくもないが、その頃はお洒落でカリスマ感さえも感じる店だった。
その後本店が移転したり店舗数やブランドを広げていったようだが、僕は10年ほど前にこちらの店舗に懐かしさを抱えて訪問した。その時には結構な客数だった記憶だが、この日入店した時には(昼の12時過ぎだというのに)お客さんは僕たち以外はゼロだった(その後数人が入ってきたが)。昔のことを思うとなんだか淋しい気持ちになった。
シーフードのカルボナーラ
本当はこちらの看板メニューであるタラコやウニを注文すれば良いのだが、今や珍しくもないのでこちらのスパゲティを。大盛りでも値段が同じなのは嬉しいサービスだ。
麺はアルデンテでソースも悪くはない。だけど普通過ぎるような。この数十年の間に至る所で美味いパスタが次々と出されているからだろう。
ペスカトーレ
「壁の穴」の味付けは和風である。なのでこちらのトマトソースのシーフードもさっぱりしている。それはそれで悪くはないのだが、何だかパンチが足りない。
もうこれで「壁の穴」に伺うことはないだろう。決して美味しくないとかそういうことではない。昔憧れていた人には(歳を取ったら)会わないで、あの時の想いのままで心にしまっておいた方がよさそうだ。だから、これはお別れではなく「壁の穴」へのリスペクト。ありがとう「壁の穴」。…あの人は今でも綺麗でいるのかなあ?Such Is Life.