ある日、「漂えど沈まず」という言葉を口にした男がいた。
仏パリ市の紋章には河に浮かぶ船とともにこの言葉が刻まれている。
島地勝彦のエッセイで取り上げられていたことで頭の片隅に微かに残っていた。
"FLUCTUAT NEC MERGITUR"
ラテン語で「漂えど沈まず」と書かれているパリの紋章。
かつてのパリはセーヌ河の幾度かの氾濫により大洪水に覆われた歴史がある。
セーヌ河を利用した水上商人たちは、たとえセーヌ河が氾濫しようとも我々は沈まないという強い気概を持っていた。その強い意志をを表したのが「漂えど沈まず」という言葉ということらしい。
彼がこの言葉にどんな想いを込めているのか僕には知る由もないが、
この言葉は人生の羅針盤ともなる名句ではないかと自分は思っている。
さて、折角なのでこの言葉について触れている本を読んでみようと思う。
amazonで見つけ出したのはコレ。
開高健 名言辞典 「漂えど沈まず」
文豪開高健はこの言葉を好んで使っていたらしい。
amazonに注文したのは2冊。そう1冊は彼に届けるために。多分彼は読まなければいけない本がまた増えたと嘆くことだろう。
文字の洪水に沈めてやる。Such Is Life.