「新規開店するお店に行かないか?」とお誘いを頂いた。何も考えずに「いーよー!」と返事をした。すると「ふぐ料理の店が開店する」と返信が。そうと知ってりゃ用事を作ったかも知れないのに。ふぐは高いし、そんなに好きでもないし…。
このような「明日空いてる?」から始まって「それなら〇〇しない?」という展開が苦手だ。これを「誘導型後出しジャンケン」と呼んで警戒しているが、まんまと嵌ってしまった。
玄品ふぐ (浜松市中区田町)
行くと言ってしまったからには仕方が無い。開店初日に潜入。お店の方に伺ったところ大阪発のチェーン店らしい。ふぐ料理はもちろん高価だということもあるが、費用対効果で考えるとふぐよりは他の物をと考えてしまう。僕の味覚はふぐの繊細さをキャッチするには鈍感過ぎる。安物嗜好の舌だから。
ところがこの店、メニューを眺めると安めの価格設定に思える。ふぐに・し・て・は・だが…。後は味次第。コースは@3,980円~。この日はオープン記念で「てっちり」が半額になるというのでアラカルトで注文。
オープン初日で店員さんも慣れない応対ではあったけど、皆さん親切でアットホームな雰囲気。ふぐ屋の気取った敷居の高さは感じられない。ここからはふぐ好きの相手に注文を任せて食べて飲むだけー。
てっさ
厚めに切られていてる身はモチモチ。ふぐ刺しが、この値段(@1,180円)でこの味ならお得かも。大阪にはふぐの安い店があると聞いているが(行ったことは無い)、こうゆうことなんだろうか。
焼き白子
白子は流石になかなかのお値段だ。確かに珍味というか絶妙な舌触りだ。ただ正体については考えないことにしよう…。
ふぐ寿司(5貫)
これも身が厚めで歯応え十分。ふぐ好きの相手の要求で、なぜか僕は一貫しかもらえなかったが…。
唐揚げ
ふぐがタンパク過ぎると思っている僕にとっては唐揚げがご馳走。骨をちびりちびりとしゃぶれば酒も進む。
ぶつ刺し
店員さんが後になってから「私自身はてっさよりもぶつ刺しがお勧めです」なんて言うから注文。白菜の上にぶつ切りにされたふぐと葱がのっている。意外な取り合わせなんだけど合ってるかも。
暫くすると「コースのお皿と間違えてお出ししてしまったので、こちらも食べて下さい」と板さんがぶつ刺しをもうひと皿持ってきてくれた。コースの方が量が少なかったらしい。言われなければ気が付かなかったのに誠実な対応に拍手喝采!ところで…他にも間違いはなかっただろうね?
焼き物三種盛り
う~ん、確か焼きふぐってあんまり食べたことなかったなあ。鯵の干物の方が旨いと思ってしまっては発想が貧弱か…?
ひれ酒
外では滅多に日本酒を飲まないけど、コイツはついつい飲んじゃう。一杯だけではひれがもったいないから次酒の追加は必修科目。
てっちり
僕がふぐに食指が向かないのは、実はこのてっちりのせいだ。ポン酢で頂くと全ての材料が酸っぱい味に収まってしまうから。ところが、こちらのタレは葱や紅葉おろしの薬味が目一杯入っている。柚子の酸味と香りがまろやかに効いていて、お酢のツンとくる匂いが気にならない。でもな…。
雑炊とうどんのセット
欲張って2種類のシメを頼んでしまったが、うどんよりは雑炊だね。
それにしてもよく食べたなあ…。お勘定は、ふぐに・し・て・は…まあまあかな?それよりも高級料理をカジュアルな雰囲気で頂けるのが好感触。
さあ~て、財布の紐が堅い当地でふぐ専門料理屋が当たるのか?当たらないのか?ふぐだけに当たったら大変だけど、お店は当たるといいね。Such Is Life.