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Such Is Life

soul-searching-diary

麺屋 極鶏 京都屈強ラーメン

この日の夕食を僕は抜いた。というより食べられなかった…。

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麺屋 極鶏 (京都市左京区一乗寺)

現在、京都ラーメンの激戦区「一乗寺」で最強とも評されているラーメン店。

初秋とはいえこの日の京都盆地は無風状態で肌を刺す強い日差しが降り注いでいた。開店40分前に到着したところ約10人の待ち客。その後も次から次へと列に並ぶラーメン愛好家たち。よくよく見ると我々以外は獲物を狙うかのような眼差しの獣…(失礼)否、屈強な男子たちである。その後少しのカップルが列に加わったが、このクソ暑い最中に噂のドロドロラーメンを食そうとする豪傑たちは異様なオーラを放っている。

 

そして店員さんが並び客から注文を取り始めると、開店時間よりも15分ほど早く「お待たせしましたあ~!」と店内に案内してくれた。

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入店して指示通りの席に着席するや否や、先客から順にラーメンが配給される。先行して受けた注文を準備していたのだろう。やはり飢えた野獣…もとい、愛好家を待たせるのは危険なのだろう。手練の猛獣使いのようないなし方だ。ただ「正社員募集」の特大な張り紙から想像するに、タフな労働環境なのだろう。

 

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店内奥よりの光景

バンビのように怯える我が家は奥の檻…(訂正)小上がりに誘導された。着席できる者以外に数名が店内に誘導され、自分の順番が来るのを立って待つように調教される。店内はなんとなく殺気立っているような雰囲気だ。獲物を追い詰めた百獣の王が最後の仕上にかかるような…。

 

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おっ!カップラーメンも出回っているみたいだ。でもここに集結した猛者どもは、ではなくて、美食家たちはカップ麺などには見向きもしない。

 

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鶏だく @700円 + チャーシュー増 @200円

これが現在の京都で最強の称号を与えられたラーメン。普通のラーメンと異なるのは中央の麺がスープに浸かっておらず、チャーシューの上にドロドロの液体が浮かび上がっている点だ。「丼ぶりの真ん中に箸が立つ」という情報を入手していたので試してみたが、箸はずっぽりと麺に埋まり内村航平の逆立ち並みの直立不動で微動だにしなかった。写真をと思ったが、ごはんに箸を立てるのは縁起が悪いので遠慮した。

 

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もはやラーメンスープの体裁ではない。シチュー以上の粘度だ。これがこちらの真骨頂。肉が姿を消すまでに煮込まれた鶏スープ。予想ではケモノ系の臭みというか腹に堪えるギトギト脂を覚悟していたが、さにあらん。甘い…、鶏の旨みをギュッと閉じ込めたシチューだ。クドイかと聞かれれば「クドイ」と答えるが、脂や化学調味料の類で濃厚になったクドさとは違う。

 

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ラーメンの強烈なインパクトと周囲のカロリーハンターたちの熱気に圧され、麺に焦点が合わず残念な写真となってしまった。獲物を前に先ずやらなければならないのは、麺とドロドロスープを掻き混ぜる作業だ。これが結構な重労働。出来上がりはパスタのカルボナーラを想像して頂きたい。チーズはなくともコテンコテンな絡まり具合。すするなどという手ぬるい動作では麺は喉を過ぎていってはくれない。ダイソン並みの吸引力でバキュームするしかない。

 

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煮玉子 @100円

つやつや綺麗な玉子であるが、こちらの強烈なスープと一緒では怪獣たちのエサには…(間違い)、その存在感は霞んでしまう。

 

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チャーシューは丼ぶりの縁にも配置されていたが、ドロドロスープの底なし沼の中からも這い出てきた。スープ内は酸欠状態であるからして、さぞかし息苦しかったに違いない。しかし、柔らかさ、そう食感は至って上品だ。ただその味は、濃厚なスープと混ざると正直分からなくなってしまう。

 

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赤だく @700円 「クセになる辛さ」とメニューに添えられている。

カミさんが「赤だくにする」と言うので、ネットで見ていた僕は制止したが、「汗をかきたい!」と引かないので好きにさせた。女の方が勇気があるもんだ。

最後にチェンジして飲んでみたが、ドロドロ鶏シチューと絡んで適度な辛さになっている。確かにクセになるかも知れない辛さだ。ノーマルな鶏だくよりも辛味がスープの独特のクセを消してくれて食べやすいかも知れない。

 

その後、食べきれないという次女の残り物を平らげた。そこまでは何とかなったのだが、その後は胃がモヤモヤしていた。確かに強烈ではあるが美味いラーメンだ。ただ素人は無理をしてはいけない。ここに集う大半の人たちは、日頃からラーメン店を徘徊し麺トレを繰り返して鍛え上げられた特殊部族の…ではなく、グルメな方たちなのだから。

 

外に出ると京都は気温34℃の灼熱地獄。もう歩けん…。

麺屋 極鶏(ごっけい)にて極刑に処される。Such Is Life.